前号では、コロナ禍が2020年の映像業界にも大きな影響を与えたというお話をいたしました。
感染防止のため、イベントや研修会が軒並み自粛となって、
ご要望が多かった集合研修などの動画撮影も、中止や無期延期が続きました。
「日経ビジネス:Raiseライブ」撮影:Dream Movie
そこで、脚光を浴びたのが、「Zoom」を代表とするテレビ会議システムを活用した
“ウェビナー”の開催だったのです。
臨場感という観点ではリアルライブとは比較にならないと思いますが、
“いつでも、どこでも、だれでも” という視点で見れば、リモートライブの利点が際立ってきます。
リアル研修では50~100名だった参加者が、オンライン研修ではなんと約1,000名に及んだという企業様のお話もさせていただきました。
視聴者が、10~20倍なったということは凄いことですし、今後多くの可能性を秘めていることは間違いないと思います。
まだ本格化したばかりのリモートイベントですが、来年はさらに浸透していくことでしょう。我々も新たなジャンルへの対応を積極的に進めてまいります。
それではいよいよ、そのような状況下で経験を積み重ねた、当社のライブ配信業務の一例を、機材を中心にご紹介させていただきます。
■「撮影機器を活用した生中継スタイル」(パワーポイントを使用した講師一名のセミナーの配信設営事例)
こちらは「パワーポイントを使用した講師一名のセミナー」の配信での設営例となります。
設営図をご覧いただくと、大方のイメージがお分かりいただけるかと思いますが、ビデオカメラ複数台を使用し、ライブスイッチャー映像の切り替えを行う配信スタイルです。
【業務用ビデオカメラ、ビデオカメラマン】
カメラは業務機器の「SONY NXcam」を使用し、ウェブカムとは違った映像品質をご提供します。従来のようにカメラマンが必要な映像を押さえますので、“人物が画面からはみ出している”や“人物が画面の端に位置していてバランスが悪い”などということを避けることができます。
上記は映像制作会社としては当たり前のことですが、動いている被写体を1~2時間ほど画面に収め続けるのは、思いの外、難しいものです。しっかりとした映像を押さえたいとお考えの方はぜひご相談ください。
【動画ライブスイッチャー】
さらにライブスイッチャーを使用することで映像の切り替えをシームレスに行うことができます。カメラ映像の切り替えはもちろんのこと、例えば、講師のワンショットと会場の画角の広い映像を適宜切り替えて、イベントの雰囲気を伝えることが可能です。また設営例にあるように、講師の方のプレゼン資料をスイッチャーに読み込むことによりタイムラグなく切り替えることができます。
皆さまがテレビ会議システムで資料を共有されるときに、なかなか映像が出てこなくてお困りになったことが一度はあるのではないでしょうか。講師PCをスイッチャーに接続しておけば、瞬時に資料映像に切り替えることができますので、スムーズな資料の展開をお望みの方は活用いただければと思います。
コンパクトなスイッチャーで当社も使用する頻度が高い「Blackmagic Design社 ATEM MINI PRO」は、入力が4チャンネルあり、映像エフェクトや静止画の記憶など、必要十分な機能を持っています。スイッチャー機器単体でもスタンドアローンとして使用できますが、コントロール用にPCを接続することで、より複雑な設定ができリアルタイムに反映することができます。
【PC映像キャプチャー】
講師PCの出力映像は動画キャプチャー機器を介してスイッチャーに接続していますので、
講師の方が操作される資料映像をリアルタイムで録画しております。当日の資料演出がそのまま再現できますので、後日、再配信用に編集をしコンテンツ作成をする場合に、お役に立てるのではないかと考えております。
【音声収録関連】
設営図には入れておりませんが、音声ももちろん重要な要素です。
会議室のような音響関連の設備がない場所では、ワイヤレスマイク等を使用して集音をするケースが一般的です。音響設備のあるセミナー会場のような場合は、会場の調整室(PA)から会場音声出力をご支給いただき、配信映像に使用いたします。
映像と比較して音声はノイズが出やすいものですので、慎重に確認をしながら進めていくところです。音声関連でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
以上のように、動画撮影のノウハウを活用することにより、ワンランク上の配信を行うことが可能となります。コンテンツとしてアーカイブする場合や、オンデマンド配信する際には動画撮影スタイルで運営することをオススメします。
上記の「セミナースタイル」以外においても、例えば、対談やディスカッションなどのイベント等での応用も可能です。
また、YouTubeチャンネルの開設やリニューアルをお考えの組織・企業さまも、お気軽にご相談ください。
withコロナ時代に適応すべく我々も変化・進化をしてまいります。これまで以上に皆さまのお力になれれば幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
今回が2020年の最後のメールマガジンとなります。
一年間ご愛読いただきまして誠にありがとうございました。
来年もお役に立てるよう情報提供をしてまいりますので
どうぞよろしくお願い申し上げます。
次号は元日の1月1日に新年特大号としてお届けいたします。
WEB年賀状としても配信させていただきますので、
ぜひともご覧いただければ幸いです。