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「青空文庫のススメ其の二」【ドリームムービー通信:第378号】

前回に続き青空文庫のオススメ作品を紹介したいと思います。

https://www.aozora.gr.jp/index.html

あらためて青空文庫について。「インターネット電子図書館」1997年の開始以降、ボランティアの方たちの尽力により、著作権保護期間が満了した作品が無料で公開されています。※作家の死後70年を経過したものが対象です。

以下ウェブサイトより
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1997年に始まったボランティア活動で、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、共有可能なものとして図書館のようにインターネット上に集めようとしております。現在は、日本国内で著作権保護期間の満了した作品を中心に、ボランティアのみなさんの力によって電子化作業を進めています。
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前回はこちらを紹介しました。

①ロマン・ロラン「ジャン・クリストフ」
フランスの小説家(1866-1944)1915年度ノーベル文学賞

②太宰 治「グッドバイ」
日本の小説家(1909-1948)主な作品『走れメロス』『津軽』『人間失格』『斜陽』

③イワン・ツルゲーネフ「初恋」
ロシアの小説家、劇作家(1818-1883)ドストエフスキー、トルストイと並んで、19世紀ロシア文学を代表する文豪。代表作は『猟人日記』『父と子』『村のひと月』

 
何と言っても無料なので、まずは気軽に始められるのが良いところですよね。青空文庫で読める名作をぜひチェックしてみてください。

 

①アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」(1952)
アメリカの小説家・詩人(1899-1961)1954年度ノーベル文学賞
簡潔な文体: 感情表現を抑えた短文で構成される文体が特徴

ヘミングウェイが好きも嫌いもないんですけど「老人と海」は誰もが聞いたことのある作品ですし、一度読んでみようかなという感じです。青空文庫には作業中のものも含めこの一冊だけという貴重な作品です。
まだ読み始めたばかりですが、老いた漁師であるサンティアゴと、自身も漁師でありその老人を敬愛する少年とのシーンから物語は始まるんですけど、ちょっと「ニュー・シネマ・パラダイス」を思い出しました。ただこちらは老人が主役なのでさほど師弟愛みたいなものはないかもしれませんが。ノーベル賞の決め手となった作品らしく無料で読むのは恐縮ですが、拝読いたします。

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内容::(1952年):老漁師サンティアゴと巨大なカジキマグロとの格闘を描いた中編小説。ヘミングウェイの生前最後の主要作品となり、ノーベル文学賞受賞の決め手となる。
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②谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のおんな」(1937)
日本の小説家(1886-1965)主な作品『細雪』、『春琴抄』、『痴人の愛』、『刺青』
耽美的な世界観や女性の魅力、心理描写の巧みさが海外でも高く評価されている。

谷崎潤一郎といえば「細雪」「痴人の愛」が真っ先に挙げられるんでしょうけど、猫好きの私としては「猫と庄造と二人のおんな」をオススメしたいと思います。猫のリリーを愛してやまない正造と、猫に嫉妬心を燃やす二人のおんなという喜劇ではありますし荒唐無稽な物語に思えながらも、その心理描写によって妙に納得させられます。
猫好きなら分かると思いますが(あー、人間が猫に勝つことは不可能だよな)となりますよね? 超然とした猫の存在があるからこそ、人間の醜さ、愚かさを映し出すことができると言えるでしょうか。

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内容:一匹の猫を巡る人間模様をユーモラスかつ緻密な心理描写で描いた長編小説。
庄造と妻(と一匹の猫)、そして前妻の三者を中心に展開。庄造は猫のリリーを何よりも大切にしており、その異常なほどの溺愛によって織りなす悲喜劇。
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③片岡義男「彼のオートバイ、彼女の島」(1977)
日本の小説家、エッセイスト、翻訳家、評論家、写真家(1939-)
代表作: 『スローなブギにしてくれ』; 『彼のオートバイ、彼女の島』; 『メイン・テーマ』; 『湾岸道路』; 『ボビーに首ったけ』; 『日本語の外へ』

バイク乗りには外せない一冊かもしれません。バイクと旅はセットみたいなもので、しかもこの作品では離島に旅するんですから最高のシチュエーションですね。さらにバイク好きで自らもバイク乗りの美しい女性と旅するなら何も言うことはないです、、、
文体の面から言えばハードボイルドな感じを受けるんですよね。客観的な視点で描かれているクールな印象です。片岡氏が、というか時代的にアメリカナイズされてるのか? レイモンド・チャンドラーの探偵モノを読むと近いものを感じるはず。※もちろん外国文学の場合は翻訳の影響は避けられませんが、、、 ある意味、あまり心情を説明しずぎないところは映画的なんでしょうかね。

バイク好き(主人公はカワサキ乗り)はぜひ一読くださいませ。
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内容: オートバイで旅をする青年と、旅先で偶然出会った女性との恋愛を描いた長編小説
オートバイ乗りの心情や、ツーリングの風景描写が非常に細かく、バイク好きの若者たちに広く支持された。
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「インターネット電子図書館の青空文庫」はいかがでしたか? 著作権が切れているものになるので、新しいものでも昭和期の作品になりますけど、裏を返せば後年に残る名作家・名作揃いということですから、ぜひぜひ電子図書館を彷徨ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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