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映像制作Tips#04 グラフィックソフトGIMP【ドリームムービー通信:第216号】


映像制作Tipsのシリーズは、今回で4回目となりますが、ここまでは全てアドビ社の製品を取り上げてきました。フォトショップ、イラストレータを始めとする製品群が秀逸であり業界標準なのは周知の通りです。そこで今回は、あえてアドビ製品の代替ソフトをご紹介したいと思います。プロ用のソフトまでは必要ないとお思いの方へ特にお勧めします。

■GIMP(ギンプ)ver2.10
※開発元:The GIMP Development Team(米)
余りにも有名なソフトなのでTipsと言えるかどうか、おそらく動画編集や写真撮影に興味のある方は皆さんご存知だと思います。

「GIMP」はオープンソースの画像編集・処理ソフト。画像編集ソフトの雄、アドビフォトショップの代替ソフトです。意外にもその歴史は古く、The GIMP Development Teamによって1996年に公開されました。フォトショップ ver1.0(1990年発売)から遅れること6年になりますね。Windows95をきっかけにコンピュータがパーソナルなものになっていったことを考えると、GIMPはその“パソコン”黎明期から活躍する、歴史あるソフトなんだと改めて思いました。
私自身が利用していたのは2000年くらいだったでしょうか、フォトショップ(以下:PS)がなくても“画像いじり”ができると思った記憶があります。

■GIMPの機能
前置きが長くなりましたが、ここからは機能面の紹介をします。
PSの代替ソフトがテーマですので、適宜比較をしながらお伝えできればと思います。

◎読み込みと書き出しの対応形式
まず初めにお伝えすべき注意点として挙げられるのが、基本的に本ソフトで扱うファイル形式は独自フォーマットの“XCF”となることです。XCF形式以外のファイルの読込は“開く/インポートで可能ですが、保存はXCFのみとなります。その他の形式の画像を作成する場合はエクスポートを使用します。この点が少々気になるところかもしれませんが、慣れてしまえば問題なく作業が行なえます。色調補正や切り抜きの作業中はXCF形式で処理をし、最終的にPSDやPNG形式でエクスポートを行うといった流れがGIMPでは一般的です。※PSでXCFは読み込み不可ですのでご注意ください。

主要な対応形式は以下となります。
◎インポート・エクスポート:JPEG,PNG,PSD,PDF,BMP,TIFF, etc.
基本的にファイルのインポート・エクスポートで困ることはなさそうです。最も汎用性のあるJPEGやPNGは当然可能ですが、やはり特筆すべきはPSのPSD形式(レイヤー構造、アルファチャンネルを維持)に対応していることですね。この点は実務上で最も重要なことかも知れません。例えば動画編集の素材としてスタッフ間で連携することも可能ですね。

◎切り抜き機能
画像編集・処理において、最もPSを活用する一つとして“切り抜き”があります。タイトルデザインに切り抜いた人物をレイアウトすることは、よくあるパターンですよね。PSには“被写体を選択”機能がバージョン2020(21.2)より実装され、AIの強化により、ほぼ自動的に切り抜きが行えるようになりましたが、さてGIMPはいかがでしょう。

◎ツールボックス:はさみ、ブラシ、スタンプなど、PSでお馴染みのもの

残念ながら一瞬で切り抜きができる機能は備わっていませんが、以前のPSと変わらない切り抜き作業が可能です。“電脳はさみツール”(PSでは、マグネット選択ツール)を使って自動的に輪郭をトレースしたり、マスクとブラシを使ってアルファキーを作成・調整するといった方法で処理を行うことができます。


◎電脳はさみツール


◎パスを打ち込んでいくと、自動的に輪郭をトレースしてくれます


◎作成したパスを選択範囲に設定します



◎パスで作成した選択範囲でレイヤーマスクを追加します(アルファチャンネルの作成)

◎背景が透過された猫画像。仕上げはブラシを使用して微調整していきます
PSと比較して優位性を説くことは難しいですが、アウトプットは同等の仕上がりにもっていけるはずです。

◎制作チームとの連携
チームとのデータ共有も重要なポイントと言えるでしょう。実際にPSD形式で保存したファイルを確認してみました。レイヤー機能やアルファチャンネルが使えなければ、PSの利点を失うことになりますので念のためチェックしてみます。


◎問題なくPSで読み込めました


◎アルファチャンネルも維持されたままです


◎編集ソフト アドビ プレミアでも問題なく読み込み可能
アドビ プレミアで、切り抜いた猫画像を読み込んでみました。問題なく透過情報は活きていますし、読み込み時にレイヤーの選択も可能でした。また、読み込んだ画像ファイルをPSで開いて再調整を行うような場合でも、上書き保存後にプレミアを確認すると変更点が問題なく反映されていました。※プレミアの場合でもXCFは読込不可です。

Adobeクリエイティブクラウドに契約している方はPSを活用することで間違いはないですが、たくさんのソフトは必要なく画像処理ソフトのみをお望みの方なら、GIMPも選択肢の一つとなるでしょう。

いかがだったでしょうか?
今回はPSの代替ソフトGIMPをご紹介しました。無料とは信じられないほど機能満載ですし、PSと比較しても遜色のないソフトとは言い過ぎでしょうか。ご興味のある方は、ぜひお試しください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回もお楽しみに。

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