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「映像のミエカタDIY #16:現代美術の展覧会で当たり前を考え直してみる」【ドリームムービー通信:219号】


「映像のミエカタDIY」は、当たり前のものとして受け取っている映像の効果について、身近な素材を取り上げながら、改めてその面白さを確認していくシリーズです。今回は、国内国外で現在開催されている現代美術の展覧会をいくつか紹介いたします。

「現代美術はなんだか難しそうだ」と思われる方もいるかもしれませんが、現在書店で紹介されているビジネス書のタイトルを眺めても、現代美術の分野で20年前から取り組まれてきたテーマと関連するものもが並んでいることに気がつきます。「当たり前とされているものを考え直してみる」、そのような現代美術の分野の取り組みは、課題解決そのものや解答を提示するものではないかもしれませんが、この世界の様々な事象について再考を促し、新たな問いへと人々を誘うとても豊かなものです。

新型コロナウィルスの流行により延期されていた展覧会の開催もあり、本来であれば重なることのなかったスケジュールで様々な展覧会が開催されている今年の夏。現代美術の展覧会を巡り、様々な試みを体験してみてはいかがでしょうか。

「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」 @東京オペラシティ アートギャラリー(7/16 – 9/19)
https://www.operacity.jp/ag/exh252/
新型コロナウィルスの流行により2021年が延期され、この夏開催されたライアン・ガンダーによる東京でのはじめての大規模な個展です。

筆者が実際に足を運んだ印象としては、身近な事象についてユーモアを携えた切り口で取り上げた作品はどれも人懐っこく、ハンドアウトに記されたそれぞれの作品タイトルを眺めるだけでもその独特な魅力を感じることができました。

展覧会のメインビジュアルとして取り上げられている作品《2000年来のコラボレーション(予言者)》( 2018)の会場の壁から顔を出すネズミを見れば、フィッシュリ&ヴァイスの諸作との豊かな繋がりも夢想することができるかもしれません。

「MOTアニュアル2022 『私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ』」 @東京都現代美術館(7/16 – 10/16)
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2022/
MOTアニュアルは新進作家の紹介を行う都現美のプログラムです。現代社会で起きている物事を見事に捉えたように思える展覧会のタイトルにまず強く惹きつけられますが、参加作家についてもいわゆる展覧会への参加だけではなく興味深い実践を行ってきた人々が取り上げられています。展覧会のタイトルやコンセプトがフォーカスする問題圏と、作家たちの多様な実践がどのように響き合うか注目の展覧会です。

「ドクメンタ15」 (6/18 – 9-25)
https://documenta-fifteen.de/en/
ドイツのカッセルにて5年に1度開催されている大型国際美術展。開催ごとにキュレーター/芸術監督が変わるため、その展覧会のコンセプトも含めて毎回世界的な話題となる展覧会です。

今回はインドネシアのアート・コレクティブ「ルアンルパ(ruangrupa)」がキュレーター/芸術監督が務めています。アジア圏からの初選出ということだけではなく、展覧会の在り方そのものを刺激するような「lumbung」というコンセプト( https://documenta-fifteen.de/en/about/ )が注目を集めています。

「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」(4/23 – 11/27)
https://www.labiennale.org/en/art/2022/59th-exhibition
イタリアのヴェネチアで2年に1度開かれている大型の国際美術展。企画展に加えて、各国がキュレータと参加アーティストを選出し、自国のパヴィリオンで展示を行うという特徴的な形式の展覧会を含むことから「美術のオリンピック」と呼ばれることもあります。

本来は2021年開催のところ新型コロナウィルスの流行のため延期措置が取られ、2022年の開催になりました。この延期によりドクメンタ15と同年開催となり、大型国際展を「ハシゴ」することも可能になりました。

企画展のタイトルはThe Milk of Dreams 。各国のパヴィリオン展示は58か国、213組みのアーティストが参加しています。日本館ではダムタイプを参加作家として展覧会を開催しています。
https://venezia-biennale-japan.jpf.go.jp/j/

今回紹介した以外にもたくさんの展覧会が日本各地で開催されています。
まず、国立近代美術館の「ゲルハルト・リヒター展」https://richter.exhibit.jp/ では、《ビルケナウ》の日本初公開が話題となっています。そして新潟県の越後妻有地区を巡る「越後妻有 大地の芸術祭」https://www.echigo-tsumari.jp/triennale/y2022/ や 宮城県石巻市の牡鹿半島が舞台の「Reborn-Art Festival」https://www.reborn-art-fes.jp/ などは、アートスペースでの作品鑑賞とは異なり、地域を旅しながら作品と出会うことが大きな魅力です。
夏の旅行の予定にぜひ現代美術との出会いを組み込んでみてはいかがでしょうか?(了)

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