今回も引き続きビデオカメラと一眼カメラの映像の違いはどこにある?の当社スタッフでの座談会をお送りいたします。
(挿入写真は全て写真ACより)
近年一眼カメラもバリエーションが大変豊富でフルサイズからAPS-C、マイクロフォーサーズなどセンサーサイズも多岐にわたり選択肢も増えております。
*センサーサイズとは、デジタルカメラに内蔵されている、光をキャッチして画像を作り出す、イメージセンサーの大きさ
・フルサイズ:約36.0mm×24.0mmのイメージセンサー
・APS-C:約23.6mm×15.8mmのイメージセンサー
・マイクロフォーサーズ:約17.3mm×13.0mmのイメージセンサー
価格も入門用からプロユースまで幅広く揃っており、手軽にシネマライクな動画が撮影できる環境が整ってきました。
ですが、一般の方が一眼カメラ(一眼レフ、ミラーレス)を購入しても、すぐに綺麗な動画を撮影するのは、なかなか難しいと思います。何かコツはありますか?
藤村:それまで一眼カメラを使ったことがない方が動画を撮り始めるとなかなか思い通りにいかないと感じることもあるかもしれません。
たとえば、一眼カメラは写真撮影に最適化した形をしているため、三脚を使わずに動画を撮影する場合はカメラを長時間保持すること自体が難しかったり、動く被写体に対してフォーカスを合わせていくことについて大変に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
その辺りのことについては、ビデオ用の三脚をご用意いただいたり、カメラの機種によっては被写体を追尾するオートフォーカス機能を用いることでよりスムーズに動画撮影が行えるかと思います。
伊藤:三脚に代表されるような基本的な機材の追加や、元々カメラに備わった機能を使うことで、より良い撮影が可能となるということですね。
それでは「より良い撮影が可能になる」技術的なポイントはどのようなところになりますか?
藤村:ピンポイントで技術的なことをお伝えするのはなかなか難しいのですが、一眼カメラは写真撮影用の機材ですので、まずは写真をたくさん撮り、ご自身のカメラに慣れていただくことに尽きるかもしれません。
写真を撮影する際の構図作りは、同じカメラで動画撮影をする際にも必ず活きるものです。
写真撮影では、動画撮影の際は気にならないような構図のシビアな部分まで問われてくることも多いですし、シャッタースピードとレンズの絞りの組み合わせによる光量変化の相関関係や画面上での効果についても、撮影済みの写真を一枚一枚じっくり確認していく方が動画を一本撮影して確認するよりもずっと技術的な部分についてのフィードバックの効果が大きいと思っています。
伊藤:なるほど、一眼カメラは写真撮影がベースにありますから技術的にも写真撮影から慣れていくのが結局は近道になるということでしょうか。
そんな中でも現行のビデオカメラとの比較の中で「これぞ一眼カメラでの動画撮影の醍醐味」といったポイントはありますか?
藤村:前回でも触れましたが、ビデオカメラと比較するとセンサーサイズが大きくとレンズの焦点距離が長い一眼カメラは、ピントが合致している平面(ピント面)とその前後の非ピント面(ボケている面)の違いがより強く出ます。
それにより、映像を見る人に対して画面上での注目すべきポイントを撮影者の意図に沿う形で自然に伝えることが可能です。
人間の視線のような明確なピント面と非ピント面の差異が画面上に存在することによって、カメラの視線に視聴者の視線を重ねていくことが可能になります。
これは映像への感情移入の点からも重要なポイントです。
以上を前提にお話しすると、一眼カメラでの動画撮影の醍醐味の一つに「背景の処理の仕方」が挙げられるのではないでしょうか。
センサーサイズの小さいビデオカメラでの撮影の場合、背景にもピントが合うため不要な情報(背景に映り込むもの)が伝えるべき情報(人物の姿など)と同じ強度で視聴者に伝わってしまう可能性があります。
それを避けるべく撮影時に背景として映り込む可能性のあるものを画面上から省いていく必要があります。
それは時には画面上を殺風景なものにしてしまう可能性も伴います。
一方、一眼カメラの場合はピント面と非ピント面の差異により、背景にあるものを取り除くのではなくボカすことにより処理が可能です。ピントが合っている状態は不必要な情報となってしまう背景もボカすことで、画面上をより豊かに構成する要素として積極的に扱うことが出来ます。
例えばご家庭等での撮影では背景に映り込むものが気になり、撮影場所が限られてくることもあると思います。
しかし、映り込む要素をボカして背景とすることにより、日常的な雰囲気を画面構成のための豊かな背景素材として扱うことが出来ると思います。
*当社撮影(一眼カメラとビデオカメラの比較画像)
伊藤:なるほど。
まずはなるべく三脚を使い極力手ブレの少ない映像を撮影するのと、ビデオカメラと違い一眼カメラ特有のピントの合う範囲の狭さを、オートフォーカス等をうまく使うことにより、なるべく失敗(ピンボケ)のない映像を撮影できるようにするのがコツと言うことですね。
近年は各メーカーも自動で被写体の瞳にピントを追従してくれるオートフォーカス等も充実してきてますので、それもうまく活用するといいかと思います。
まずはいろいろと試してみて、最適なセッティングが見つかれば一般の方でも、人物にピントがしっかりと合っていて背景はボケ味を生かしたハイクオリティーな映像が撮影できる可能性があります。
ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
一眼カメラを使用した映像制作や何か疑問点等ございましたらお気軽に当社までご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回も引き続きこちらのテーマでまとめとして、
「それぞれの長所を生かしたオススメの映像制作」をお送りする予定です。
お楽しみに。
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