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「コロナ禍とWebミーティング動画制作 ~スタッフミーティング~」 【ドリームムービー通信:第126号】

今号はいつもとは趣向を変えまして、一つのテーマを制作スタッフが語るという、座談会テイストでお送りします。

さて、一つのテーマとは何かと申しますと、今回まずはコロナ関連と考えて取り上げます。
様々な業界と同じく、映像業界もコロナ禍の影響は免れえないものでした。

2月の中旬から、人が集まるイベント等の自主規制が始まり、4月の緊急事態宣言以降は研修会・セミナーやトークイベントなどの撮影はおろか、イベントそのものが基本的に開催できなくなるという状況でした。

そのような状況下で、皆さま方ビジネスマンが会議や打ち合わせなどでご利用されている、“Zoom”や“Teams”が、動画制作の部分でも活用されるようになりました。

メルマガ115号「Webミーティングを活用して動画コンテンツを作成しましょう!」でも書かせていただきましたが、

◎Webミーティング機能を活用すれば比較的容易に動画を収録できる。

◎編集作業を行って動画コンテンツに仕上げれば、企業PRや学習教材の一つとして活用の幅が大きく広がる。

撮影場所や機材の制約が減り、より身近になったWeb動画制作は今後も活用されていくでしょう。
逆に言えば誰もが簡単に動画を作れてしまう時代に、我々動画制作会社の立ち位置はどうなっていくのでしょうか? 

今回まずは、コロナの影響による映像制作の変化をお伝えさせていただきます。

◎「Zoomミーティング」が動画制作を変えた

伊藤:Webミーティングって今では誰もが使うようになりましたが、緊急事態宣言以前での、動画ミーティングはどんなイメージだったのでしょうか?

荻本:動画制作の話として最初にあったのが、Webミーティングを活用され始めた頃にクライアントさんからZoomを使った配信をしたいという話があったんです。


■「Zoomミーティング」ギャラリービュー

「撮影が難しい現状なのでZoomを使った研修を考えています。」というご相談があって、そのときはまだZoomというものをあまりよく知らない状況でした。

自粛前の3月だったと思います。テレワークがまだそれほど話題になっていなくて、ウェビナーという呼称が使われ始めた頃ですね。つまりオンラインセミナーですね。

それ以降、クライアントさんが利用を考えているのはZoomが多いと思います。
クライアントさんのほうが先に進んでいたというイメージですね。

そのときは結局、イベント自体を開催できる状況ではなかったですけど。
もともと数年来、弊社では研修会のライブ配信は対応をしていました。

クライアントさんがサーバーを用意していて、カメラとスイッチャーを繋いで配信をするのが、その時のライブ配信だったんですけど、今はパソコンのミーティングアプリだけでできてしまうのが、一番大きな違いですかね。

伊藤:だから誰でもできてしまうということですね。
パソコンとフリーのソフトでできてしまう。
コロナとは関係なく、従来からはあったんですね。
でもあまり動画制作には活用されていなかったという感じでしょうか。
ではライブ配信(撮影スタイル)とWebミーティングの境目は?

荻本:機材面で言えばありますね。
ライブ配信はそれなりの機材がないとだめですよね。
配信サーバーを用意しないといけないとかありますし。Zoomはそのまま配信サーバーも兼ねてる感じですか。全部一体化してますよね。

伊藤:コロナ禍でライブ配信やWebミーティングの境目というのも少なくなってきたということですね。

◎コロナ禍で動画制作は身近なものになった

藤村:コロナ禍により映像制作の一般化がさらに押し進められたという印象があります。

iPhoneやスマートフォン、それに付随するアプリ登場以後、写真や映像の撮影と編集が日常生活の中で当たり前のものとして誰もが気軽に使えるようになりました。

その一般化の波が、コロナ禍によりビジネスの現場にまで押し寄せました。
ミーティングというビジネスにとってエッセンシャルな要素に対してWebミーティングアプリが必須のものとなった結果、より多くの人にとって映像や記録することが当たり前のものになったのではないでしょうか。

でも、誰しもが映像で記録が出来るようになっても、それがそのままビジネス上のコンテンツとして成立するのかはまた別の問題だとも思っています。
そういう意味で、コンテンツの制作については映像制作会社が皆さんのお役にまだまだ立てると考えています。

Zoomで色々なことが可能になり、それにより私たちの仕事が減るというところもあるかも知れませんが、多くの人が映像を使うことで、映像を表現する言語がもっと一般的になっていくことにとても大きな期待をしています。

なぜなら、映像の言語をクライアントの皆さんと映像制作者が共有することにより、以前よりもさらに良いものが作れるようになっていくのではと考えているからです。

荻本:そうですよね。身近になった感じですね。

藤村:それはすごく良いことなんじゃないかなと。映像が身近になったから自分たちで作るというより、映像が身近になったということでより良い映像を私たちと一緒に作って行きませんか?という提案を行っていきたいですよね。

◎新たな取り組みとスキルアップ

神代:Zoomを利用して動画を配信するというのがすごく身近になった分、お客さまが望まれているものも広がってきていると感じています。
もちろんこちらがスキルを上げなきゃいけない部分もたくさんあると思っています。

荻本:まだ利用され始めた段階なので、中継レベルの配信、例えばテロップ出しのようなものが
どこまで必要かは、これからのご要望次第でしょうね。


■「日経ビジネスRaise Live(2020.2)」ビデオ撮影+配信ソフト+専用サーバー

神代:ZoomやYouTube LIVEなどの配信、それを録画して編集するというのは、思っている以上に一般化というか、広報担当者様レベルでも可能になっていると思います。

映像のクオリティには、まだ差があるかも知れないけれど、顧客にキチンと情報を届けるという意味では、プロでなくても、すでに簡単にやっているという現状があります。

それを踏まえた上でプラスオンするとすれば、やはりクオリティ(画質・音質)という部分と、後作業、つまりより分かりやすいコンテンツに編集で仕上げるという、そういうことが必要になってくるのかなと。

荻本:編集をして劇的に変わるわけではないけど、編集はしたほうが良いとは感じますね。
撮ったままというのは音欠けが多かったりなどで発言の意図が分からない、そういう面が多々ありますね。

藤村:そうですね。例えて言うなら、小説だけど原稿用紙をそのまま見せているような。
それをそのまま読める、体裁を気にしない方もいるのかもしれません。

例えばYouTubeもZoomの録画をそのまま流してる人がいるじゃないですか?
視覚的な状態がどうであれ、中身で喋っていることだけを頭に入れられる人とか。
でもそうじゃない人のほうがきっと多いのではないかなと思って。

小説でも、原稿用紙をただページに貼ってあるものと、文字組みがあり余白があり、きちんとした意匠が用意された状態で読むのでは、読みやすさや得られるものが違ってくると思います。

Zoom素材をそのままにしておくのか、一回分解してキチッと配置してデザインするのか。
状況によるとは思いますが、場合によってはしっかりしたデザインが必要だと感じています。

荻本:必ず編集が必要かというと微妙なところかも知れませんが、今はそのままで良いという人も多いという。

実際に編集を展開している場合で言えば、多少の驚きはあるのではと感じてますね。
Webミーティングの小画面を整えるだけでも、感動ではないですけど、キレイになるんだなと思ってもらえますね。見出しテロップも入れたりとかしても見やすくなると思います。


■Webミーティング録画素材を使用した編集イメージ

◎アフターコロナでの動画制作

神代:今後コロナが落ち着いてきたときに、どうなるかというのは気になるところですね。
コロナ後も同じような状態が続くとは思わなくて、どちらかというと、リアルでのセミナー開催も戻ってくるような気がします。(リアルセミナーの動画コンテンツ化)

ただ現状のWebを使ったものというのはやっぱり残る。
切り分けと言うか、キチンと撮って、キチンと編集してクオリティがあって理解しやすいコンテンツというのは、やっぱり重要なんだね、というようなところに、持っていきたいなという思いはありますね。

荻本:そういう意味では制作総数は増えるのかなという感じはありますね。
もともとの撮影スタイルと場合によってはWebを使ってすぐに収録してしまうみたいな感じで増えるのかなと。Web動画の場合は担当者さんが自分で撮れるという意味で。

伊藤:過去でやっていたリアルな研修会動画制作にいかに近づけていくかというのは、映像制作会社だけの問題じゃないかもしれないですね。

離れた場所からのお客様自身が撮影するなど、お客様自身で用意が必要な部分もあるので、お客様のご協力もある程度は必要ですよね。
カメラの種類や撮影方法など、映像制作会社がコーディネートしてという流れも必要ですね。

◎これからは制作コンテンツに合わせたプロデュースも必要

神代:企画の入り口の部分から入る。

現状はZoomの素材や、地方でウェブ会議したものを編集対応するという入り口になっているけど、ZoomセミナーやWeb会議を企画段階から提案できるようにしたい。

例えば配信自体はZoomを使ったとしても、各地方にいる参加メンバーがビデオカメラで映像を撮影する、(ローカルでビデオカメラ収録する)、音声はICレコーダーやピンマイクで収録というような、Zoomでの裏の素材のクオリティーを上げるような提案をしていきたい。


■「日経ビジネスRaise Live(2020.2)」ビデオ撮影スタイル

藤村:その辺りの意識のようなものを映像制作者と一緒にクライアントの皆さまにも持っていただけるように私たちも積極的にご提案していきたいですね。

簡単に記録することは出来るけれど、それをいかにして自社のコンテンツとしていくのか。
Zoom録画そのままでも、レイアウトや編集をして動画コンテンツとしての完成度を上げていくにしても、状況に適したより良いコンテンツを作るという意識を共有しながら、我々がお役に立てたらと考えています。

伊藤:Webミーティングを活用した動画制作は本格的に始まったばかりと言えるので、課題もあるし、今までになかったいろんな可能性もあると思います。

さらに皆様のお役に立てるような話をさらに進めていきたいと思います。今後は技術的な話も絡めていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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